「カナノヒカリ」 794ゴウ (1988ネン 10ガツ)
カナダラ順
ヒロタ ヒロコ
第24回夏季オリンピック競技 が ソウル で 開かれました。アジア では 2番目,いま 日の昇る 勢いの かの 民族の 意気が 込められた,リッパナ 大会で あった ことを,おなじ 東−アジア に 住む ひとり として,ウレシク 思う もので あります。
さまざまな 競技や 成績で 楽しませて くれた ことも さりながら,わたくしが 特に 感心し,コエ を 大きくして 申したい ことが あります。それは 入場式 に おける 各 選手−グループ の 入場の 「順番」 の ことに ついてで あります。
いつから の ことか 知りませんが,先頭 には オリンピック の 名の ユカリ の ギリシャが,最後 には その 大会 の 主催国が つく ほか,すべての 参加国は その 国名 の ABC順に ならんで 入場する のが シキタリ に なって いる よう です。
「東京」オリンピック の とき にも そう だった と 覚えて います。
しかし,こんどは 違いました。ソウル では,プラカード に こそ ローマ字 の 国名も 示されて いましたが,入場の 順番は 自分たち の コトバ での 順序,すなわち ハングル の 文字名の 順 (カナダラ順) で 入場 させました。アタリマエ と いえば アタリマエ ですが,その アタリマエ を 思い切って 実行した,KOC なり 関係の ひとびとの 確信と 勇気 とを,わたくしは 賞賛せず には いられません。
この ことは,一見 ナンデモナイ ことの よう ですが,それに よって 語らずの うち に,どのくらい この 民族の 意志 と 力 と 文化 とを,全世界に 示す ことが できたか 計りしれない と 感じた の でした。
これこそ よい 意味 での 本当の ナショナリズム なの では ないでしょうか。
われわれの コトバ にも,レッキ とした 「カナ」 と いう 文化財産 が あります。いま 一度,ジックリ と 考えなおして みる 機会 として とらえたい ものと 思います。