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戦後(せんご)国語改革(こくごかいかく)は、アメリカの指令(しれい)によるものか?
ユズリハ サツキ 
 【国語改革への批判】
 戦後行われた国語改革は、国民の意思によるものではなく、アメリカの指令によるものではないか。

 【反論】
 そのように主張する人々がいることは事実ですが、結論を先にいえば、それは事実無根の憶測・デマです。
 では、このような憶測・デマの「根拠」は何なのでしょうか。

 ひとつは、連合国軍最高司令部(GHQ)にいたキング・ホールという人物が、漢字やカナは鎖国的な文字であるとして、日本語表記のローマ字化を主張していた、ということです。このこと自体は事実です。しかしこれは、あくまでキング・ホールの個人的な意見でしたし、そもそも彼には、そのような大改革を指令する権限などありませんでした。むしろ指令を発することのできた上層部は、このような問題には干渉しないという方針を貫いていたのです。

 もうひとつはは、アメリカから来た教育使節団がローマ字の採用を提案したということです。この使節団の報告書には、確かにそのことが書かれていますが、同時に、これは押し付けるものではなく、単なる参考意見であり、日本国民自身が自主的に決める問題である、ということも述べられています。(使節団の中では強硬な主張も出ましたが退けられています。)GHQの方針からいっても、強制するというようなことは起こり得なかったのです。

 仮に、もし本当にアメリカの指令によって日本の国語改革が行われていたとしたら、日本語の表記はローマ字化されていたはずですが、現実にはそうはならなかった。この事実が、アメリカの指令によって国語改革がなされた、という説がデマであることを雄弁に物語っているのではないでしょうか。〔GHQ関係の膨大な資料を調べても、GHQの指令であることを示す証拠はまったく出てきません。〕

 戦後の国語改革は、日本国民によって、国民のためになされたものなのです。〔それまで積み上げられてきた、改革を求める多くの人々の努力が結晶したものなのです。〕

 〔参考〕◆ 戦後の国語改革は、ドサクサにまぎれて偏向者がおこなったものか?

 (『カナノヒカリ』 940ゴウ 2008ネン ナツ)(一部書き改めた。)

(このページおわり)