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標準(ひょうじゅん)()かち()き(改訂(かいてい)3)
【まえがき】 この『標準分かち書き』は、現代の日本語をカナまたはローマ字で書き表わすための「分かち書き」のよりどころとして提案されたものである。

      分かち書きの規則

【1】ひとつの単語は、ひとつづりに書く。ただし、【3】【4】の場合を除く。
 (例) ヤマ, ノボル, オオキイ, コノ, トテモ, ソシテ, マア, ヲ, デス
〔注1〕複合語もひとつの単語であるので、ひとつづりに書く。ただし、【4】の場合を除く。
 (例) ハナタバ(複合名詞), オモイダス(複合動詞)
〔注2〕国語辞典の見出し語になっていれば、それをおおよその目安として、ひとつの単語と判断してよい。
  (例) アマノガワ, マニアワセ, ロクデナシ
〔注3〕接頭語・接尾語は、単語を構成する要素であるので、それが付く語と合わせてひとつづりに書く。ただし【4】(4)の場合を除く。
 (例) チャ, ヨワイ;
   アリガタ, ロンリテキ

【2】単語と単語の間は、分けて書く。ただし、【5】【6】の場合を除く。
 (例) タイヨウ ハ ヒガシ カラ ノボリ、 ニシ ニ シズム。
〔注1〕連語・慣用句は、ひとつの単語とは認められないので、単語ごとに分けて書く。
 (例) デ アル, ト シテ, ノ ダ, モウ ヒトツ; ヌカ ニ クギ
〔注2〕補助動詞〔もとの意味を失って、他の単語について補助的な役割をしている動詞〕もそれ自体ひとつの単語であるので、前の語から分けて書く。
 (例) ハル デ アル, ハナシテ ミル, オシエテ アゲル, ゴラン クダサイ, オユルシ イタダク, ケンキュウ ナサル
〔注3〕「なさる」が動詞の連用形に続くときは、複合動詞と認めてひとつづりに書く。
 (例) ヨミナサル, ヨミナサイ(命令形)

【3】次の単語の語幹と語尾は、分けて書く。
(1)形容動詞(ダ型活用)
 (例) シズカ ダ, シズカ ナ, シズカ ニ
 〔注〕語幹は名詞、語尾「だ」は助動詞「だ」とみなす。
(2)形容動詞(タルト型活用)
 (例) ドウドウ タル, ドウドウ ト
(3)助動詞「そうだ(様態)、そうだ(伝聞)、ようだ、みたいだ」
 (例) タノシソウ ダ, ハレル ソウ ダ, サムイ ヨウ ダ, オクレル ミタイ ダ
 〔注〕語尾「だ」は助動詞「だ」とみなす。

【4】次の語は、それを構成する要素の間を分けて書く。
(1)活用しない複合語で、おおむね7拍以上のもの〔基本的にカナ1字が1拍であるが、「っ」を除く「ゃ、ゅ、ょ」などの小書き文字は、その前のカナと合わせて1拍である。〕
 (例) ウチアゲ ハナビ, コウソク ドウロ, オレンジ ジュース
 〔許容〕6拍以下のものであっても、読みやすくするため、適宜分けて書くことができる。
  (例) シゼン カガク, ロジョウ チュウシャ (漢字2字以上の漢語複数から成る語);
    モダン バレエ, キャッシュ カード (「カタカナ語」);
    デンシ メール, カシキリ バス (混種語)
 〔注〕意味を取り違えられる恐れのない場合、語の本来の組み立てにかかわらず、読みやすい分け方にすることができる。
  (例) エイギョウ ブチョウ (<(エイギョウ+ブ)+チョウ)
(2)複合サ行変格活用動詞〔語幹と語尾「する」を構成要素とする動詞〕
 (例) ウワサ スル, トク スル, ハンダン スル, デザイン スル;
   マットウ スル; ユックリ スル
 〔例外〕次の語は、語幹と「する」の間を分けて書かない。
  (ア)語幹が漢字1字の漢語で、かつ語幹と「する」の間に助詞「を」をはさむことができないもの
   (例) アイスル(愛する), キスル(期する)
  (イ)語幹が促音で終わるもの
   (例) ホッスル; タッスル(達する)
  (ウ)語尾が「ずる」になっているもの
   (例)オモンズル; オウズル(応ずる)
 〔注〕複合サ行変格活用動詞の語幹に他の動詞が続くときも同じように分けて書く。
  (例) ハンダン イタス, ハンダン デキル, ハンダン ナサル
(3)副詞のうち、語尾「と」「に」を含むもの(副詞相当の連語として扱う。)
 (例) シッカリ ト, ユックリ ト;
   イッコウ ニ, ピカピカ ニ
 〔例外〕語尾の前の要素が現代語の単語として用いられることがないものは、ひとつづりに書く。(漢字2字以上の漢語は、現代語の単語とみなすことができる。)
  (例) オノズト, チョット;
    サラニ, スデニ
(4)接頭語・接尾語や造語成分を単語として扱い、分けた方が読みやすくなるもの
 (例) イズミ , ヤマダ タチ (固有名詞の前後につくもの);
   ダイ 1カイ, 50グラム ジャク (数詞の前後につくもの);
   ゲン ヤクイン, カク メンバー, チョウ ユウメイ (名詞を修飾するもの);
   9ジ ハツ, パリ チャク (名詞の後について動詞の働きをするもの)

【5】活用する語の未然形・連用形・仮定形のいずれかに続く次の助詞・助動詞は、前の語と合わせてひとつづりに書く。
(1)接続助詞「ば、たり(だり)、て(で)、ても(でも)、ながら、つつ」
 (例) アルケ, アルイタリ, アルイ, アルキナガラ, アルキツツ
 〔注1〕「ながら」が形容詞(型活用語)に続くときは、連体形に続くので、前の語から分けて書く。
  (例) セマイ ナガラ, ウマク ハ エガケナイ ナガラ
 〔注2〕文語の接続助詞も同じように書いてよい。
  (例) モチ モタレ, マテ クラセ, ユケドモ ユケドモ
 〔許容〕接続助詞「ても」は、「て」と「も」を分けて書くことができる。
  (例) ツラクテ モ ガマン ダ。
(2)終助詞「な(命令)」
 (例) イソギナ, カエリナ, ヤメサセナ
(3)助動詞「れる・られる、せる・させる、たい、たがる、ない、ぬ(ん)、た(だ)、ます、う・よう、そうだ(様態)、まい(未然形に続くとき)、しめる」
 (例) タベラレル, タベサセル, タベタイ, タベタガル, タベナイ, タベ, タベ, タベマス, タベヨウ, タベソウ ダ, タベマイ, イワシメル
 〔注1〕形容詞(型活用語)や助動詞「だ」の連用形に続く「ない」は、形容詞であるので、前の単語から分けて書く。
  (例) サビシク ナイ, オダヤカ デ ナイ, オトナ デ ナイ
 〔注2〕「そうだ(様態)」は、形容詞(型活用語)・形容動詞の語幹に続くときも前の語と合わせてひとつづりに書く。
  (例) タノシソウ ダ, イイタソウ ダ, ゲンキソウ ダ

【6】助詞「へ、に、で、と」、助動詞「だ」の連用形「に、で」のいずれかの後に助詞「は、も、の」のいずれかが続くときは、合わせてひとつづりに書くことができる。
 (例) ココ ヘハ キタ, カレ ニモ ハナシタ, ジョウブ デハ アル

【7】次の場合は、適宜ハイフンを用いて書くことができる。
(1)活用する語でつづりが長いとき。
 (例) ハタラキ-ツヅケル (複合動詞), オモシロ-オカシク (複合形容詞), タシカメ-ラレナカッタ (動詞+複数の助動詞)
(2)その他、意味を取りやすくするとき。
 (例) ゼン-セイキ (前世紀), ゼンセイ-キ (全盛期), フク-シブチョウ, ムヤミ-ヤタラ, デジタル-カ, オリタタミ-シキ, カンサイ-フウ

【8】ひとつづりに書くか、分けて書くか迷うときは、分けて書く。

【9】【1】~【7】によることができないときは、この規則の理念を踏まえつつ適宜に書いてよい。
 (例) イワズ モガナ, イワズモガナ, ス ベキ, スベキ (文語的な言いまわし);
   アナイ ニ, アナイニ (方言);
   ワカッテ ル, ワカッテル (口頭語)

【おぎない】
(1)助数詞・単位は、接尾語または造語成分と認めて、前の語に続けて書く。
 (例) 300サツ, 6ガツ 15ニチ, 1メートル 30センチ
(2)【5】の場合に当たらない語は、【2】本文にしたがって、前の語と分けて書く。
 (ア)【5】(1)(2)に当たらない助詞(前の語の活用形にかかわらず)
  (例) サガシ  イク; ヤスイ ケレドモ, サワヤカ ナ ノデ, ナン ト イオウ トモ, ツラク トモ; ヨミ サエ スレバ, ワルク  ナイ; イソグ , ヨカッタ 
 (イ)助動詞「だ、です、らしい、まい(終止形に続くとき)、そうだ(伝聞)、ようだ、みたいだ」
  (例) オイツク ダロウ, ハナヤカ デス, ハジマル ラシイ, ユルス マイ, ハレル ソウ ダ, サムイ ヨウ ダ, オクレル ミタイ ダ
(3)混同しないように注意が必要なもの
 (ア)終助詞「な(命令)」と終助詞「な(禁止)」
  〔命令〕(連用形に続く) イソギナ, カエリナ, ヤメサセナ
  〔禁止〕(終止形に続く) イソグ ナ, カエル ナ, ヤメサセル ナ
 (イ)助動詞「そうだ(様態)」と「そうだ(伝聞)」
  〔様態〕(連用形などに続く) ハレソウ ダ, タノシソウ ダ
  〔伝聞〕(終止形に続く) ハレル ソウ ダ, タノシイ ソウ ダ
 (ウ)接続助詞「ので、のに」と準体助詞〔名詞の代わりとしてはたらく助詞〕「の」+格助詞「で、に」
  〔接続助詞〕 コノ ヒモ ハ ジョウブ ナ ノデ キレナイ。 (丈夫だから)
  〔準体助詞+格助詞〕 ヒモ ハ ジョウブ ナ ノ デ シバリナサイ。 (丈夫なもの(ひも)で)

(このページおわり)