キクチ カズヤ 


   
  文部科学省の 国立教育政策研究所は、7月14日、全国の 小学校4年生 から 中学校3年生 までを 対象に おこなった 「特定の課題に関する調査(国語,算数・数学)」の 調査結果を 発表しました。

  この 調査は、「確かな学力」の 育成を もとめた 中央教育審議会の 2003年の 答申を ふまえ、漢字の ヨミカキと 作文(国語)、計算力と 数学的カンガエカタ(算数・数学)に 内容を しぼった はじめての テストで、無作為に 抽出した 小・中学生 約37,000人を 対象に、昨年(2005)の 1、2月に 実施されました。調査結果 全体は、かなりの ボリュームが ありますので、その 『概要』の うち 漢字に 関する 「結果のポイント」を ヌキガキ します。


 【調査の概要】
   ○ 読み・書き(各50問,計100問),複数学年に10問ずつ共通の漢字を出題

 【調査結果の概要】〔抜粋〕
   ○ 共通問題を比較すると,配当学年の次の学年での「書き」の正答率が高まっており,
     2年間で定着を図る指導の成果がみられる。
   ○ 漢字の「読み」も学年進行に伴い定着している。
   ○ 日常生活や学習場面での使用頻度が高い漢字は定着している。
     一方、使用頻度が低いものや使用範囲が狭いものは定着が十分ではない。
    ● 正答率の特に低い問題 【読み】
      「挙手して発言」 17.2%(小4)
      「改行しながら書き」 18.7%(小4),23.3%(小5)
   ○ 字形や音・訓,意味の類似等による誤答がみられる。
    ● 字形の類似、偏・旁による誤答 【読み】
      「挙手」を「けんしゅ」(小5),
      「潤滑」を「じゅんこつ」(中3)
    ● 音・訓の類似や読み間違いによる誤答 【読み】
      「子孫」を「こまご」(小4),
      「改行」を「かいこう」(小5)      
    ● 意味の類似による誤答 【読み】
      「縮尺」を「しゅくしょう」(小6),
      「誓約」を「けいやく」(中3)


  『概要』は つづけて、この 「結果」を 「分析」し、「今回の調査結果と指導改善の具体策」を まとめて います。これは、ツギの ような もの です。


  調査結果における主な課題
   ● 読み,書きとも学年進行に伴い通過率が上昇
   ● 際だって通過率の低い漢字がある
   ● 使用頻度が低い,複雑な字形,類似の字形がある漢字に誤答・無回答が多い

  指導の改善の具体策
   ● 誤りやすい漢字の反復・重点的な指導
   ● 類似字をまとめて示したり,部首に注意させるなどの指導
   ● 漢字の意味や語句としての使われ方なども併せて理解させる指導
   ● 形式的反復でなく,文章の中で取り上げ漢字への関心を高める指導


  結局、この 調査結果が しめして いる ことは、小・中学生は 日常 つかわない 漢字が 不得意で ある、と いう ような、ダレでも 予想 できる ことで しか ありません。また、「指導の改善の具体策」 なる ものも、おおくの 教師が すでに こころみて いる ことでは ない でしょうか。ワタシタチが この 調査結果から える ものと いえば、漢字とは 実に 不合理で 習得が 困難な もので ある、頻繁に つかって いなければ わすれて しまう と いう 欠陥を もつ 文字で ある、と いう ことの 再確認で しか ありません。

  教育現場では どう うけとめて いるの でしょうか。「現場の教師からは『予想通り』との声が出る一方、『指導改善をするにも、授業時間が足りない』との悲鳴もあがった。」(7月16日ヅケ 読売新聞) と いう のが 現実 でしょう。(ワタシが、1999年 ハル号で、教育漢字を へらさずに 「ゆとり」など うまれない、と 指摘した とおり です。)

  こまるのは、日常 つかわない 漢字の ヨミが 極端に できなかった と いう 結果に、「『挙手なら「手を挙げる」、改行なら「行をかえる」という具合に、授業で簡単な表現にしてしまっていることも原因では』と考える。そして、『今後、授業で意識して難しい言葉も使うようにしたい』」(おなじく) などと かんがえて しまう 教師が いる こと です。これは、いきた コトバを おしえる 授業では ありません。テストで よい 点数を とらせる ための 授業です。

  この 調査報告では、小・中学生が 「論理的思考」も 不得意で ある ことが 強調されて います。漢字を ただただ おぼえる など 論理と 無縁な ことで 労力と 時間を 浪費して いては、論理的思考など はぐくまれようが ありません。コドモが まなばなければ ならない ことは いくらでも あります。漢字は、必要最小限だけ おぼえれば よいの です。わざわざ むずかしい コトバを つかう など 教育的とは トウテイ いえません。

  教育を 真に いきた ものに するため、ワタシタチは うったえつづけます。漢字制限を 復活させ、さらに つよめよ! 教育漢字を へらせ! と。


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