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 標準(ひょうじゅん)()かち()き (4.41)
【まえがき】 この『標準分かち書き』は、現代の日本語をカナまたはローマ字で書き表わすための「分かち書き」のよりどころとして提案されたものである。

       分かち書きの規則

【1】ひとつの単語は、ひとつづりに書く。
 (例) ヤマ, ノボル, オオキイ, コノ, トテモ, シカシ, イイエ, ヲ, デス
 ◆ただし、【3】【4】【5】の場合を例外とする。
〔注1〕複合語もひとつの単語であるので、ひとつづりに書く。(【4】の場合をのぞく。)
 (例) ハナタバ(複合名詞), オモイダス(複合動詞)
〔注2〕接頭語・接尾語は、単語を構成する要素であるので、それがつく単語と合わせてひとつづりに書く。(【5】の場合をのぞく。)
 (例) チャ, セキニン (接頭語);
   アリガタ, ロンリテキ (接尾語)

【2】単語と単語の間は、分けて書く。
 (例) タイヨウ ハ ヒガシ カラ ノボリ、 ニシ ニ シズム。
 ◆ただし、【6】【7】の場合を例外とする。
〔注1〕連語・句は、単語の連なりであるので、それを構成する単語ごとに分けて書く。
 (例)トテツ モ ナイ, クチ ヲ ハサム, ネコ ニ コバン
〔注2〕補助動詞・補助形容詞〔もとの意味を失って、ほかの単語につづいて補助的な役割をしている動詞・形容詞〕もそれ自体ひとつの単語であるので、前の単語から分けて書く。
 (例) オシエテ モラウ, ジジツ デ アル, オツタエ クダサイ
   ムズカシク ナイ, ササエテ ホシイ
【3】次のコトバは、語幹または語尾をのぞいた部分と語尾をそれぞれ単語とみて分けて書く。(連語のあつかいとする。)
(1)形容動詞および形容動詞型活用の助動詞
 (ア)形容動詞(ダ型活用)
 (例) シズカ ダ, シズカ ナ, シズカ ニ
 (イ)形容動詞(タルト型活用)
 (例) ドウドウ タル, ドウドウ ト 
 (ウ)助動詞「そうだ(様態)・そうだ(伝聞)・ようだ・みたいだ」
 (例) ハレソウ ダ, ハレル ソウ ダ, サムイ ヨウ ダ, オクレル ミタイ ダ
〔注〕「そうだ(様態)」の「そう」は接尾語、その他の語幹は名詞、語尾は断定の助動詞とみる。

(2)副詞のうち、語尾「に・と」を持つもの
 (例) マコト ニ, イッコウ ニ;
   ハッキリ ト, キラキラ ト
〔注〕語尾をのぞいた部分は名詞または副詞、語尾は助詞とみる。
 ◆ただし、語尾をのぞいた部分に独立性がない(単独では現代語の単語として用いられることがほぼない)ものは、1語の副詞として、ひとつづりに書く。
 (例) スデニ, タダチニ, マサニ;
   オノズト, チョット, モット

【4】次の複合語は、それを構成する単語の間を分けて書く。
(1)活用しない複合語で、おおむね7拍以上のもの 〔基本的にカナ1字が1拍であるが、「っ」を除く「ゃ、ゅ、ょ」などの小書き文字は、その前のカナと合わせて1拍である。〕
 (例) ウチアゲ ハナビ, デンワ バンゴウ, オレンジ ジュース
 ◆ただし、6拍以下のものであっても、意味を取りやすくするため、適宜分けて書くことができる。
 (例) シゼン カガク, キャッシュ カード
 ◆なお、意味を取り違えられるおそれのない場合、本来の組み立てにかかわらず、読みやすい分け方にすることができる。
 (例) ユウビン キョクチョウ (<(ユウビン+キョク)+チョウ)

(2)複合サ行変格活用動詞〔語幹(名詞など)と語尾「する(動詞)」で構成される動詞〕
 (例) ウワサ スル, トク スル, ハンダン スル, デザイン スル, マットウ スル, サッパリ スル
 ◆ただし、次のものは、語幹と「する」を合わせてひとつづりに書く。
 (ア)語幹が漢字1字の漢語で、かつ語幹と「する」の間に助詞「を」をはさむことができないもの
 (例) アイスル(愛する), キスル(期する)
 (イ)語幹が促音で終わるもの
 (例) ホッスル, タッスル(達する)
 (ウ)語尾が「ずる」になっているもの
 (例)オモンズル, オウズル(応ずる)
 ◆なお、複合サ行変格活用動詞の語幹に他の動詞がつづくときも同じように分けて書く。
 (例) ハンダン イタス, ハンダン デキル, ハンダン ナサル

【5】接頭語・接尾語を含む単語は、次の場合、それらを分けて書くことができる。
(1)接頭語・接尾語が実質的に単語であるとみられるとき。
 (例) カク メンバー (実質的に連体詞),
   チョウ オモシロイ (実質的に副詞),
   シンブン、ザッシ トウ (実質的に助詞)

(2)接頭語・接尾語が固有名詞の前後、数詞の前および連語・句の前後につくとき。
 (例) ダイ デュマ, ヨシダ サマ, ヤマダ タチ
   ダイ 1カイ, マル 3ネン;
   オヤマ ノ タイショウ テキ

【6】活用する単語の仮定形・未然形・連用形につづく接続助詞・終助詞・助動詞は、前の単語と合わせてひとつづりに書く。(接尾語のあつかいとする。)
 (例) アルケ(仮定形につづく接続助詞);
   アルイタリ, アルイ, アルキナガラ, アルキツツ (連用形につづく接続助詞);
   アルキ (連用形につづく終助詞);
   アルカレル, タベラレル, アルカセル, タベサセル, アルカナイ, アルカ, アルコ, タベヨウ, タベマイ (未然形につづく助動詞);
   アルキタイ, アルキタガル, アルイ, アルキマス (連用形につづく助動詞)
 ◆ただし、接続助詞「ても(でも)」は、原則として、「て(で)」と「も」を分けて書く。
 (例) アメ ガ フッテ モ イク, タノンデ モ ヤッテ クレナイ
〔注1〕接続助詞「ながら」が形容詞(型活用語)につづくときは、連体形につづくので、前の単語から分けて書く。
 (例) セマイ ナガラ, メダタナイ ナガラ
〔注2〕助動詞「まい」が終止形につづくときは、前の単語から分けて書く。
 (例) フセイ ヲ ユルス マイ

【7】次の場合は、原則として、ふたつの助詞・助動詞を合わせてひとつづりに書く。
(1)助詞「で・と・に・へ」、助動詞「だ」の連用形「で・に」のいずれかのあとに助詞「の・は・も」のいずれかがつづくとき。
 (例) タイシタ モンダイ デハ ナイ , トモダチ トノ ヤクソク, カレ ニモ ハナシタ, ココ ヘハ コナカッタ;
   ユタカ デハ ナイ, フキゲン ニモ ナル

(2)助動詞「だ」の連体形「な」のあとに接続助詞「ので・のに」がつづくとき。
 (例) ゲツマツ ナノデ イソガシイ, スリム ナノニ チカラモチ ダ

【8】次の場合は、必要に応じ、ハイフンを用いて書くことができる。
(1)規則【1】によりひとつづりに書く単語の構成要素の間をハイフンで分けて、意味を取りやすくするとき。
 (例) オオ-オトコ, フク-シブチョウ, セイヨウ-フウ;
   ムヤミ-ヤタラ, ノッシ-ノッシ;
   ハタラキ-ツヅケル, オモシロ-オカシク;
   タシカメ-ラレナカッタ

(2)規則【4】(1)により分けて書く単語の構成要素をハイフンでつないで、単語としてのまとまりをつけるとき。
 (例) カリ-ケイヤクショ (2拍以下の部分が離れてしまうとき。)
   アザブ-ジュウバン (地名)

【9】特殊な場合は、この規則の理念を踏まえつつ適宜に書いてよい。
 (例) ワカッテ ル / ワカッテル (< ワカッテ イル)(音韻のくずれた形);
   イワズ モガナ / イワズモガナ, ス ベキ / スベキ (文語的な言いまわし);
   
【10】ひとつづりに書くか、分けて書くか、判断しがたい場合は、分けて書く。


(おわり)