【漢字廃止論への批判】
カナモジカイは、漢字の廃止を主張しながら、機関誌やウェブサイトでは漢字を使っている。矛盾してはいないか。カナモジは実用にならないと自ら認めているようなものではないか。
【反論】
漢字擁護論者がわたしたち漢字廃止論者の揚げ足を取るためによく使う論法です。わたしたちの答えは次のとおりです。
1.カナモジカイの会員は、仲間内ではカナだけを使っています。それで十分用は足りています。しかし、機関誌『カナノヒカリ』やウェブサイトには、カナモジカイの理念・主張を世間に広く理解してもらう、という役割を与えていますので、一般の人々が読み慣れている「漢字かな交じり文」で書くこともためらいません。
2.カナモジカイの最終的な目的は、日本語の日常的な表記法としては、漢字を廃止しカナを用いる、ということですが、その理想が一挙に実現するとは考えていません。会を設立したときから「漸進的改革」を運動の原則にしてきました。そこで、漢字全廃に至るまでの過渡的な表記法についての試みもしています。使う漢字を数百字程度に制限した文章、漢字交じりではあるが分かち書きをした文章、和語(ヤマトコトバ)だけはカナで書いた文章などです。
3.カナモジ文(特にカタカナ文)の読みやすさは、書体に大きく左右されますが、
カナモジ文のために設計された書体(フォント)が今の段階では普及していないということもネット上では配慮しています。
4.インターネット上では、漢字かな交じりの文章が前提とされているため、カナモジカイのウェブサイトでは検索のしやすさなどを考慮して、一般的な漢字かな交じりの表記をあえて多く使っています。
〔追記:カナ書きの文章はPDFファイルでご覧いただけるよう、準備を進めています。〕
(『カナノヒカリ』 939ゴウ 2008ネン ハル) (一部書き改めた。)