「カナノヒカリ」 952ゴウ (2011ネン ナツ)         

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国語国字問題Q&A

漢字・漢語は、漢字文化圏の共通語として尊重すべき?

                                             ユズリハ サツキ 


   
   日本は、漢字文化圏の 一員と して 他の クニグニと 漢字文化を 共有して いる。この ことを かんがえれば、漢字・漢語は 漢字文化圏の 共通語と して これからも 尊重して いくべき では ないか?


  
 ご質問の 内容が 漠然と して いて どう おこたえ して いいか わかりません ので、いわゆる 漢字文化圏での コトバと 文字に 関連する コトガラを いくつか 指摘する ことで オコタエに かえさせて いただきます。

  1.漢字文化圏とは、中国と 漢文を 媒介と して 中国文化を とりいれた クニグニが 構成する 地域の ことを さす ものと おもいますが、これらの クニグニが 共有して いるのは、漢字と いう よりも 中国文化で ある ことに ココロを とめて ください。

  現在、この 文化圏に 属して いるのは、中国(大陸)、台湾、北朝鮮、韓国、ベトナム、そして 日本の 6つの クニグニ ですが、北朝鮮では 漢字は 廃止して ハングル専用に ふみきりましたし、韓国でも 新聞などを のぞいては ハングルのみを つかって います。ベトナムでは ローマ字を 採用して います。

  したがって、漢字と いう 共通の 文字を つかって いるのは、イマでは、中国(大陸)、台湾、そして 日本だけで あって、漢字文化圏 全域では ありません。

  2.しかも 漢字の 字体は 現在、中国(大陸)では 簡体字、台湾では 繁体字、日本では 日本式の 新字体を もちいて おり、かなり ことなった ものに なって います。これらの 字体を まなばなければ、おなじ 字で あっても それと わからない ことが とても おおいの です。

  3.ツギに、漢字では なく、漢字語の 共通性に ついて かんがえてみます。イマは 漢字を つかって いない クニグニでも 漢字語は、ソレゾレの 言語の 語イ 全体の 約6割を しめて います。ですから、語イに 関しては 共通する 部分は すくなく ありません。

  とはいえ、それらを ミミで きいて わかる ことは まず ありません。たとえば、ワガクニの ナマエ 「日本」は、漢字語で あって、ホカの クニでも それが つかわれて いるの ですが、 中国語では 「リーベン」、韓国・朝鮮語では 「イルボン」、ベトナム語 では 「ニャットバン」、日本語では 「ニホン」 または 「ニッポン」と 発音されるので、かなりの チガイが あります。

  ハングルや ローマ字で かかれた 漢字語を メで みても 意味が わからない ことは いうまでも ありません。

  4.さて、現在 漢字が つかわれて いる 中国(大陸)、台湾、日本では、質問者が いう ように、すくなくとも カキコトバと しては 漢字・漢字語が 共通語と して 機能して いるの でしょうか。

  2で のべた 字体の チガイと いう ハードルを のりこえられたと して、中国語を まなんだ ことの ない 日本人が 中国語で かかれた 新聞や 雑誌を よんで すこしでも 理解できる でしょうか。ご自分で ためして みれば 納得されると おもいますが、まず 無理です。漢字の 用法が ことなるの です。

  5.文章は よめなくても、単語を ならべる 程度の 筆談なら できるの では ないかと おもれる かも しれません。しかし、そこには おおきな オトシアナが あります。字ヅラは オナジでも 日本語とは 意味が ちがう コトバが カギリなく あるの です。たとえば、「走」、「愛人」、「手紙」は、それぞれ、日本語では 「はしる」、「情婦・情夫」、「てがみ」の 意味ですが、中国語では、 「あるく」、「妻・夫」、「トイレットペーパー」の 意味に なります。ウカツに 筆談などを しますと (できたと しても)、とんでもない 誤解を まねきかねません。

  母語で 漢字を つかって いる 外国人が アイテで あっても、コミュニケーションを はかるには、語学力を シッカリと ミに つける 必要が あります。

  6.ウエに のべて きた ように、漢字文化圏に おいて 漢字・漢字語に まったく 共通性が ないとは いえません。しかし それは、きわめて 限定された ものなの です。ですから、言語・文字に 関する かぎり、特に 強調する ほどの 意味が あるとは ワタシには おもえません。