「カナノヒカリ」 948ゴウ (2010ネン ナツ)         

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国語国字問題Q&A

子どもは喜んで漢字を学習しているか?

                                             ユズリハ サツキ 


   
   カナモジカイは、漢字の 学習の 負担と いう ことを 強調するが、現実の こどもたちは よろこんで 漢字を まなんで いる。 学習の 負担を かるく するなど 必要ない ことでは ないか。


  
 1.コドモたちが よろこんで 漢字を まなんで いる と いう ことに ついては、どの ような 根拠を もとに そう 結論づけて いらっしゃるの でしょうか。 漢字検定の 受験者が おおい こと でしょうか。 受験する コドモたちが みんな このんで そうして いるとは 断定できません。 強制されて 受験する コトモも いる でしょう。 漢字の 得意な コドモは すくなく ない でしょうが、そうで ない コドモの ホンネは 普通 おおきな コエで きこえる ことは ありません。 コエなき コエを きく 必要が あります。

  すこし ふるい 調査(*)の 結果が あるの ですが、約90%の 小・中学生が 漢字は 日常生活の ナカで 必要だ、と こたえた 一方、漢字の 学習が すきだ、と こたえた 小・中学生は 半数程度に とどまって います。 家庭で 漢字の 学習を 一生 懸命 やっている、と こたえた コドモは さらに すくなく なって います。

  質問者の 認識に ついては、おおいに 議論の 余地が あると おもいます。

  2.ワタシは、コドモたちが 漢字の 学習に まったく ヨロコビを 感じて いない とは もうしません。 漢字を おぼえるに したがって、それまで わからなかった マワリの 文字の 意味が わかって きます。 それは、未知で あった オトナの 世界に すこしずつ ちかづいて いく ことで あり、それが ヨロコビで ある ことは 当然です。 ただし、それは、オトナの 世界で 漢字が つかわれて いる と いう 現実の 反映で あるに すぎず、漢字 ソノモノの 本質とは 別の コトガラ です。

  3.学校では、教師たちは コドモたちに 対する 漢字の 教育に チカラを いれる よう 要請されて います。 教師たちは、イロイロな クフウを こらし、その 要請に こたえようと して います。 そうで なくとも、漢字の 学習が 学校の カリキュラムに ある 以上、授業で おしえられ テストも うけます。 漢字を チカラを いれて 学習した コドモは よい 評価を うける でしょうから、達成感を 感じる ことに なります。 また、教師や オヤに ほめられる ことも ヨロコビ でしょう。 しかし、これも、学校で 漢字を おしえて いる と いう 事実の 反映 以外の ものでは ありません。

  4.日本の 社会は、学校の ソトでも テレビ放送などを 通じて、あたかも 漢字が 特別な 価値を もつ 文字で あるかの ように 宣伝して います (論証なしで、または、まちがった 論証の もとで)。 コドモたちが 無批判に それを 信じて しまうのは 自然の ナリユキ です。 その 結果、漢字を おおく おぼえる こと 自体が コドモに 対して 満足感を あたえる ことに なります。 これも、漢字の 真の 本質とは はなれた ところに ある 問題 です。

  5.2〜4で のべて きた 状況にも かかわらず、スベテの コドモたちが よろこんで 漢字を 学習して いるとは かぎらない ことは いうまでも ありません。 また、コドモたちが よろこんで する ことが 無条件に いい こと なのだ、などと いえない ことも モチロン です。 ゲームに 夢中に なって ほめられる ことは まず ない でしょう。 漢字の 本質を 理解すれば、漢字の 学習に エネルギーや 時間を おおく つかう ことが いかに ムダな ことか わかる はず です。

  6.最後に、ご質問への 直接の 回答に なりますが、カリに 本当に おおくの コドモたちが よろこんで 漢字を まなんで いると しても、その 負担が おもくない と いう ことを 意味する ワケでは 決して ありません。 さきほどの 調査結果を みると、コドモたちが 家庭での 漢字学習に おおくの 時間を あてて いる ことが わかります。 1日 30分以上 1時間未満が 小4で 26.6%、中3で13.7%、1日 1時間以上が 小4で 17.7%、中3で10.9%。 小4では およそ フタリに ヒトリが、中3でも 4人に ヒトリが 1日 30分以上 家庭で 漢字学習を して います。 これは、おもい 負担では ない でしょうか。 漢字学習の 負担を かるく する 必要が ない などと どうして いえる でしょうか。

   *文部科学省の 国立教育政策研究所が 2005年1・2月に 実施した 「特定の課題に関する調査(国語,算数・数学)」 「カナノヒカリ」 2007年 ハル号 「日常 つかわない 漢字が 不得意? ―― ならば どう する」を 参照。