「カナノヒカリ」 941ゴウ (2008ネン アキ)         

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国語国字問題Q&A

戦後の国語改革は、ドサクサにまぎれて偏向者がおこなったものか?

                                             ユズリハ サツキ 


   
   戦後の 国語改革は、終戦直後の ドサクサに まぎれて おこなわれた、一部の 偏向者の 策動に よる ものでは ないか。

  
 その ような 主張を する ヒトも いるには います。 しかし それは、事実とは まったく ちがって います。

  まず、「偏向者の 策動」と いう ことに ついて みて いく ことに しましょう。

  戦後の 国語改革の ハシラで ある 「当用漢字」や 「現代かなづかい」は、当時の 国語審議会に よって さだめられた もの ですが、この 国語審議会の 委員を えらぶ 方法は、政令に よって きめられて おり、政治、経済、教育、学術、文化、報道などの 部門での 学識経験者や 関係各官庁の 職員から スイセンされる ことに なって いました。 しかも、えらばれた 委員は、ソレゾレの 部門での 実行上の 責任を おって いる ヒトが おおかったの です。 したがって、「偏向者の 策動」などが かりに あったと しても、それが 実現する 余地など まったく ありませんでした。

  「偏向」などと いう あやまった ミカタを する ヒトが いるのは、委員の ナカに カナモジ論者や ローマ字論者が いた ことを 根拠と して いる よう ですが、実際には、漢字全廃を 主張する 委員など ヒトリも いません でした。 主張したと しても 問題に されなかった でしょう。 さしせまった 現実の 問題を 解決して いく ために、委員の 合意を カタチづくって いく ことが 課題だったの ですから。

  それでは、なぜ あのような 改革が 実現したの でしょうか。 国語審議会の 任務の 第一は、「国語の改善」(国語審議会令第1条第1項)と いう こと でした。 当時は、日本を 民主主義国家と して 再建しなければ ならない とき でした。 その ためには、日本語を 国民の 共有財産と して ふさわしい もの に する 必要が あったの です。 ヒトリ ヒトリが オタガイの 意見を 理解しあう と いう ことが 民主主義の 出発点で あるから です。 「国語の改善」を おこなう 機関を、「国語の改善」の 必要を 痛感して いた 各界の 代表者が 構成し、「国語の改善」を 実現した。 自然の ナリユキ です。 (ウシロムキな 態度を とる 委員も いましたが、最後まで 少数派に とどまりました。)

  ところで、「ドサクサに まぎれて」、という 非難には、改革への 研究を 十分に おこなわずに あまりにも 拙速に おこなった と いう 批判も ふくまれて います。

  事実は、どう だった でしょうか。 「当用漢字」と して ミを むすんだ、漢字制限案に ついて いえば、当時、ボウダイな 資料が あったの です。

  1900(明治33)年には、すでに 国語調査委員会が できて いました。1924(大正13)年には、1962字の 「常用漢字表」が 発表されて います。 その アトも、おおくの 権威者が 委員と して 審議に 参加しました。 新聞社の 使用活字の 実態調査や 国会の 速記録 などの サマザマな 資料が とりいれられました。 かれらの 努力に よって、「漢字表」は なん度も テを くわえられ、ずっと 審議が つづけられて きたの です。 「当用漢字」は、これらの 資料を もとに 審議を 十分に つくして つくられた もの なの です。 決して 一夜ヅケで きめられた ものでは ないの です。

  なお、戦後の 国語改革は アメリカの 指令に よる ものだ、などと いう 非難を あびせる ヒトビトも いますが、これに ついては、マエの 号で 反論して いますので、ここでは はぶきます。 ただ、ウエに かいて きた コトガラも この 説が アヤマリで ある ことを 証明して いる、と いう ことを 強調して おきたいと おもいます。

  最後に、国語改革の 意義に ついて、藤堂明保博士の 著書 『漢字の過去と未来』(岩波新書 1982年)から 引用させて いただき、シメククリと させて いただきます。

  〔戦後の〕第三の改革が、いわゆる「国語表記法の改革」である。・・・・・・  都市から農村にいたるまで、老いも若きも新聞や雑誌を読めるようになり、 日記や手紙を書けるようになったのは、国語表記法の改革があったおかげ ではないか。・・・・・・