「カナノヒカリ」 894ゴウ (1997ネン 11ガツ)

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カナ活字のはなし

                                             カワイ ヒロシ 


   
  いま ふつうに使われている活字のカナですが、カタカナにしても ヒラガナにしても こんなに悪いデザインのものはちょっとないでしょう。
  ひとつひとつの字が勝手な形をしていて、並んだものの調和など読みやすさということは まったく無視してできています。濁点にしても 字によって打つところがちがい 統一した基準はぜんぜんありません。
  ただ ひとつ考えているらしいのは漢字との調和ですが、それでは 漢字のないときは 読みやすい訳がありません。筆で書くとき そうするのなら分かりますが 活字としてはあまりに幼稚すぎるでしょうし、それが そもそも漢字重視のもとになっているのだと思います。
  そして これほど悪いデザインのカナですが 毎日使っているためにその悪いところに気がつく人がいなかったのです。
  そこで カナモジカイの先人によって考えられたのが、カタカナの肩の線をそろえ ひとつひとつを個性的にし 並んだとき言葉ごとに形をつくる性質をもたせ 読みやすくすることでした。
  いつごろできたかと「カナノヒカリ」のバックナンバーを見ると1922年の第1号には すでに「サルハシ式」というのがでています。ただ「ヒラオ式」というのが その前にできていたようで このあたりがこの形のはじまりのようです。
  はじめのころの字体は個性をかなり強くしていましたが、だんだん個性をおさえおだやかなものにしマツサカさんがつくった「ツル」、イナムラさんがつくった「スミレ」、やがてミキさんによる「アラタ」の全盛時代になります。
  そして これらの全体をいういい方がないと どうしても不便なので「カタセンガナ」(肩の線のカナ)ということにしました。カナモジカイのカナモジ運動はこの「カタセンガナ」と組になってなりたっています。

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