「カナノヒカリ」 679ゴウ (1979ネン 3ガツ)

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人名の カナ表記に 法的根拠を

                                             カナモジカイ 


   
 カナモジカイは, 古井法務大臣と 有泉民事行政審議会 会長 あてに, つぎの ような 建議を しました。


 民事行政審議会におかれましては,目下人名漢字につき審議中とうけたまわります。
 つきましては,つぎの3点が実現されますよう,ご検討たまわりたく,お願い申しあげます。
 1.戸籍簿に,字形(漢字)とならんで,発音(カナ)の登記欄をもうける。
 2.字形(漢字)または発音(カナ)の,どちらか一方の表記だけで,法的に公式な氏名表記とみとめる。
 3.人名にもちいる漢字は,常用平易なものとし,字種は2000字程度に制限する。
    理  由
 すべての人名は,一定の発音(呼びかた)でなりたち,また,それを表記する一定の字形でなりたっています。したがって人名の表記は,字形即発音であることが,最も好ましい形でありますが,わが国で常用している漢字の大部分は一字数音であるため,人名の字形と発音とは必ずしも一致しておりません。そのため,現行戸籍法で漢字の字形だけを登記しているのは,発音がしめされず,人名の半面だけの登記にすぎません。
 人名の発音があきらかにされないことは,社会生活にさまざまな支障をおこします。ことに高精能の事務機械の使用に障害となります。内閣は,閣達甲104号(昭和24年)で,事務文書での人名カナ書きをみとめておりますが,これをさらに前進させ,すべての場合に発音(カナ)の表記を正当な人名表記として法的根拠をあたえることが,将来の社会のため,必要なことと考えます。
 人名漢字の字種制限は,日常用いられない古字,あるいは誤字,新造字をふせぐだけでことたります。制限を強行して国民の反感をかうの愚はさけるべきです。

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